アンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)公式ホームページ
グランド・キャニオンやモニュメントバレーが壮大な景観を楽しむスポットであるのに対し、このアンテロープ・キャニオンは肌で自然の神秘を体験できる希少なスポットです。アンテロープ・キャニオンは、コロラド川の支流がかつて刻んだスロット・キャニオン(幅の狭い渓谷)。
砂丘が固まってできた砂岩が鉄砲水や風水によって狭く深く浸食され、幅2~3mなのに対し、深さはなんと36mほどもあります。さらに、螺旋状に浸食されているため、太陽光が地面まで届かず、太陽が真上に来る正午前後の短い時間のみ、レーザーのように直線になった光が差し込みます。
アンテロープ・キャニオンは、レイクパウエルの南端にある町ペイジの東側に位置しています。ツアーに申し込まなければ入れない「アッパー・アンテロープ・キャニオン」と、立入りが自由の「ロウアー・アンテロープ・キャニオン」の2つに分かれていますが、どちらもペイジから車で約15分の距離。
この一帯は、ナバホ族居留地にあり、観光地化されすぎるのを防いでいます。プロの写真を多数魅了してきたアンテロープ・キャニオン。アリゾナ州の中でも1、2を争う人気を博しています。
この幻想的な地形を生み出した鉄砲水は、今でもアンテロープ・キャニオンを削り続けています。そのため、いったん鉄砲水が流れてくると、観光客は逃げ場がなく非常に危険です。現在では、観光局が危険性を判断してくれていますが、天候が悪い時には不用心に近づかないようにしましょう。
地図
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アッパー・アンテロープ・キャニオン(Upper Antelope Canyon)
ロウアー・アンテロープ・キャニオンに比べ、内部の空間が短く広いのが特徴で、ビームと呼ばれる空間内に降り注ぐ太陽光線を見学することが可能なのはアッパーです。
ビームは、強い太陽光が必要なため、天気が曇りの場合は見ることができません。また、冬期(毎年10/8~3/14)は太陽光が直上に昇らないため、晴天でもビームを見ることができません。
ナバホ族居留地にあるため、勝手に見学することはできず、ツアーに参加することが前提となります。ツアーへの申し込み方法は以下の3通りがあります。
- 数社が企画しているものをホームページからツアーを事前予約
- ペイジ中心部にあるパウエル博物館(Powell Museum Visitor Information Center)からツアーを予約
- 直接アッパー・アンテロープ・キャニオンで現地ガイドに依頼
- 開園時間:8:00~17:00
- 入場料:$6(ツアー料金に含まれています)
- ツアー・ガイド料金:1時間$35前後が一般的
ロウアー・アンテロープ・キャニオン(Lower Antelope Canyon)
アッパー・アンテロープ・キャニオンに比べ、内部の空間が狭く長いのが特徴です。ビームを見ることはできませんが、延々と続く薄暗い神秘的な空間を体験できます。狭い地形により美しい写真が撮れるため、写真家たちに人気なのはアッパーよりもロウアーです。
以前は、その複雑な地形から、プロの登山家の装備でないと見学できませんでしたが、1997年に11名が鉄砲水に飲み込まれて亡くなった事故の後、観光用の鉄のハシゴが掛けられ、誰でも容易に観光できるようになりました。
アッパー・アンテロープ・キャニオンと同様、ナバホ族が管理をしていますが、ツアーに参加しなくても観光できるので、自分の時間でゆっくり楽しむことができます。
ガイドが常に同行するかどうかは、そのときの状況(観光客数や現地スタッフ人数)により異なり、ガイドが常に同行する場合もあれば、入口まで案内されたあとは自由行動となる場合もあります。
ガイドが同行する場合でも、観光客のペースで進ませてくれることが多く、時間を区切られるということはあまりありません(繁忙期は急かされることもありえます)。
- 開園時間:夏8:00~16:00、冬9:00~14:00
- 入場料:$26
観光案内ウェブサイト・ガイドブック
ウェブサイト
アンテロープ・キャニオン公式ホームページ(英語)
ガイドブック
地球の歩き方『地球の歩き方B13 アメリカの国立公園』ダイヤモンド社