アリゾナ州の概要
アリゾナ州という言葉から何を想像するでしょうか。広大な砂漠、西部劇、サボテン、グランドキャニオン。ネイティブ・アメリカンのナバホ族。最近では、観光地セドナを思い浮かべる人もいるかもしれません。
日本ではまだまだ知名度の低いアリゾナ州ですが、実際には多様な表情をもった地域です。アリゾナ州は広大な荒野が中心ですが、アリゾナ北部では冬に雪が降り、一面の森林地帯が広がっています。同様にこの北部には、世界有数の景観地グランドキャニオンを有し、北側のユタ州との一帯は、グランドサークルと呼ばれる国立公園の集積地帯で、一年中観光客が訪れています。
大自然だけではありません。州都フェニックスは、荒野の中に突然広がる大都市。人口は全米で5番目に多く、近年では半導体、通信、IT、航空宇宙、光学、バイオサイエンス、医療、ソーラー・エナジー、環境などハイテク産業が盛んです。教育分野では、南部の都市ツーソンに本部を置くアリゾナ大学は、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学ロサンジェルス校、ミシガン大学などともに、パブリック・アイビー(アイビーリーグレベルの公立大学)を形成しています。
フェニックスに近接するスコッツデール市は、カリフォルニア州ビバリーヒルズと並ぶ高級住宅街とも言われています。世界有数の河川・コロラド川の恩恵を受け、アリゾナ州全土は水資源や電力が豊富で、砂漠地帯ながら西海岸や東海岸と同レベルのインフラが整っています。
年中、晴天の続くアリゾナ州は、観光地としてはもちろん、生活圏としてもアリゾナ州はアメリカ市民からは絶大な人気を誇り、リタイア層の移住地としても注目を集めています。このサイトでは、日本の皆さんに、アリゾナ州の魅力をお伝えしていきます。
気候
アリゾナ州の気候は、典型的な乾燥気候。しかしながら、南部と北部では大きく気候は異なり、南部は暖かな砂漠地帯、北部は高地及び山岳地帯に属しています。
フェニックスやツーソンなど人口の多い南部では、夏期は40℃以上にまで気温が上がりますが、空気が乾燥しているため蒸し暑くはなく、夜間は25℃ぐらいまで下がります。寝苦しいということはありません。冬期には、昼間は20℃、夜間は5℃ぐらいまで気温が下がり、長袖のジャケット、ときにはコートも必要となります。山岳地帯の北部では、夏は涼しく避暑地として最適ですが、冬は寒さが厳しくなります。
アリゾナ州は、世界でも有数の「晴天地帯」で、年間320~330日は快晴。雨はほとんど降ることがないため、雨が降っても傘をさすという習慣があまりありません。この晴天を利用して、近年21世紀の電力を担うべく、太陽光発電や太陽熱発電の絶好の地としても注目されています。
時差
アメリカは、グァム・サイパンを除いて、全部で6つのタイムゾーンに分かれています。
- イースタン・タイムゾーン:
GMT-5(日本との時差:-14時間)例)ニューヨーク、ワシントンDC、マイアミ
- セントラル・タイムゾーン:
GMT-6(日本との時差:-15時間)例)シカゴ、ニューオリンズ、ヒューストン
- マウンテン・タイムゾーン:
GMT-7(日本との時差:-16時間)例)フェニックス、デンバー、ソルトレークシティ
- パシフィック・タイムゾーン:
GMT-8(日本との時差:-17時間)例)ロサンジェルス、シアトル、ラスベガス
- アラスカ:GMT-9(日本との時差:-18時間)例)アンカレッジ
- ハワイ:GMT-10(日本との時差:-19時間)例)ホノルル
アリゾナ州全土は、上記のとおり、マウンテン・タイムゾーンに属しています。
しかし、注意が必要。アリゾナ州はアメリカでは珍しくサマータイムを導入していないため、
夏期はカリフォルニア州などパシフィック・タイムゾーンの州と同じ時間帯となります。
※アリゾナ州の中でも、ナバホ居留地のみは、サマータイムを導入しているため、夏期は州内でも時差が発生することにも、さらに注意が必要です。
州都 フェニックス
州都はフェニックス(Phoenix)です。英語での読み方はフェニックスではなく、「フィーニクス」の発音。フェニックスは約160万人(2009年)が生活するアリゾナ州最大の市であり、全米でも第5位の規模です。地理的エリアとしては周辺のメサ、グレンデール、スコッツデール、テンピの4市とともに、フェニックス大都市圏を形成。人口は約430万人(2009年)にのぼり、全米第12位の規模です。
フェニックスについての詳細は、「フェニックス」をご覧ください。
※市と大都市圏についての全米の順位は以下の通りです。
市(2009年)
順位 |
市 |
州 |
人口 |
1 |
ニューヨーク |
ニューヨーク |
839万人 |
2 |
ロス・アンジェルス |
カルフォルニア |
383万人 |
3 |
シカゴ |
イリノイ |
285万人 |
4 |
ヒューストン |
テキサス |
225万人 |
5 |
フェニックス |
アリゾナ |
159万人 |
6 |
フィラデルフィア |
ペンシルヴァニア |
154万人 |
7 |
サンアントニオ |
テキサス |
137万人 |
8 |
サンディエゴ |
カルフォルニア |
130万人 |
9 |
ダラス |
テキサス |
129万人 |
10 |
サンノゼ |
カルフォルニア |
96万人 |
11 |
デトロイト |
ミシガン |
91万人 |
12 |
サンフランシスコ |
カルフォルニア |
81万人 |
13 |
ジャクソンビル |
フロリダ |
81万人 |
14 |
インディアナポリス |
インディアナ |
80万人 |
15 |
オースティン |
テキサス |
78万人 |
大都市圏(2009年)
順位 |
大都市圏 |
州 |
人口 |
1 |
ニューヨーク |
ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、ペンシルヴァニア |
1,906万人 |
2 |
ロス・アンジェルス |
カルフォルニア |
1,287万人 |
3 |
シカゴ |
イリノイ |
958万人 |
4 |
ダラス |
テキサス |
644万人 |
5 |
フィラデルフィア |
ペンシルヴァニア、ニュージャージー、デラウェア、メリーランド |
596万人 |
6 |
ヒューストン |
テキサス |
586万人 |
7 |
マイアミ |
フロリダ |
554万人 |
8 |
ワシントンDC |
ワシントンDC、ヴァージニア、メリーランド、ウェストヴァージニア |
547万人 |
9 |
アトランタ |
ジョージア |
547万人 |
10 |
ボストン |
マサチューセッツ、ニューハンプシャー |
458万人 |
11 |
デトロイト |
ミシガン |
440万人 |
12 |
フェニックス |
アリゾナ |
436万人 |
13 |
サンフランシスコ |
カルフォルニア |
431万人 |
14 |
リバーサイド |
カルフォルニア |
414万人 |
15 |
シアトル |
ワシントン |
340万人 |
交通の機関
- 空港:
フェニックス・スカイハーバー国際空港(Phoenix Sky Harbor International Airport: PHX)
- 鉄道:
アムトラック(Amtrak)の駅が州内には8か所ありますが、フェニックスにはありません。
駅のある街は、ユマ(Yuma)、マリコパ(Maricopa)、ツーソン(Tucson)、ベンソン(Benson)、
キングマン(Kingman)、ウィリアムス・ジャンクション(Williams Junction)、
フラッグスタッフ(Flagstaff)、ウィンスロー(Winslow)。
面積
295,253 km2(全米第6位)
面積は全米第6位。1位はどこだと思いますか。アラスカ州です。そのあと、テキサス州、カリフォルニア州、モンタナ州、ニューメキシコ州と西海岸や西部の州が続きます。アリゾナ州の面積は、日本の国土面接を一回り小さくしたサイズです。
人口
6,595,778人(全米第14位)(2009年)
人口密度
21.54/km2(全米第33位)
アリゾナ州の人口は、6,595,778人。フェニックス大都市圏の人口が436万人、2番目に大きいツーソン大都市圏の人口が102万人ですので、この2大都市圏にアリゾナ州民の81.6%の人が住んでいることになります。また、近年、アリゾナ州の人口は著しく増加しています。この高い増加率の背景として、3つの理由が挙げられます。
- メキシコ移民の増加:国境を接しているメキシコ国民が職と富を求めて移住。
- 高齢リタイア層の増加:全米の富裕リタイア層が余生を過ごすため移住。
- 産業の興隆:ハイテク産業を中心に企業誘致が進んだ結果、就業者が移住。
そのため、リーマンショック前までは、フェニックスでは住宅開発が盛んに行われていました。その反動で、リーマンショック後は、持家倒産や不動産企業の倒産が相次いでしまいました。
国勢調査 |
州の人口 |
増加率 |
1950 |
749,587 |
50.10% |
1960 |
1,302,161 |
73.70% |
1960 |
1,302,161 |
73.70% |
1970 |
1,745,944 |
34.10% |
1980 |
2,718,215 |
55.70% |
1990 |
3,665,228 |
34.80% |
2000 |
5,130,632 |
40.00% |
2009 |
6,595,778 |
28.60% |
人種別人口構成(2009年国勢調査)
- ヒスパニック系:30.8%
- ネイティブ・アメリカン:4.9%
- アフリカ系:4.4%
- アジア系:2.6%
言語別人口構成(2005年国勢調査)(Wikipedia)
- 英語:72.58%
- スペイン語:21.57%
- ナバホ語:1.54%
アリゾナ州はメキシコと国境を接している影響を受け、スペイン語を母語とするメキシコ移民が比較的多い州です。街の至る所でヒスパニック系の人々を見かけることができます。一方、北部は先住民の居留地が大半を占め、ナバホ族を中心としたナバホ語も州内では話されています。しかしながら、大都市圏では先住民の人々を見かけることはほとんどなく、生活圏が分離していると言えます。アジア系の人口が少ないのもアリゾナ州の特徴と言えます。
宗教別人口構成(2007年国勢調査)(Wikipedia)
- カトリック:28%
- プロテスタント(主流派):15%
- プロテスタント(福音派):23%
- プロテスタント(その他):2%
- モルモン教:6%
- 仏教:1%
- ユダヤ教:1%
アリゾナ州は、キリスト教徒が圧倒的に大きいことで有名です。アジアからの移民が多い西海岸や、ヨーロッパ・アフリカからの移民が多い東海岸・南部と異なり、アリゾナ州の移民はカトリックであるメキシコ移民が大半であったためです。しかし、同じキリスト教徒でも、カトリックとプロテスタント(主流派)とプロテスタント(福音派)の3つの宗派に大きく分かれています。とりわけ、プロテスタント(主流派)の中で保守的と言われる、バプティスト(浸礼教会)の活動が活発なこともアリゾナ州の特徴といえます。近年、北隣ユタ州のソルトレークシティに拠点をおくモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)の人口も増加してきています。イスラーム教のモスクや、仏教寺院、ヒンディー寺院を見ることはほとんどありません。
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